大和の「つくりもの」 4 八木「愛宕祭」の「造り山」
2008年8月24日
「つくりもの」の探訪です。橿原市の八木町付近で8月23日から25日の「愛宕祭」に「造り山」が出ます。
「愛宕祭」は町内の防火、火伏せを願って京都・愛宕神社の「愛宕大神」を祀った屋形や祭壇を、この3日間だけ町内の通りに面して造ります。
屋形を組み立てて屋外に出すもの(屋形1)と、家屋入口に青竹で鳥居を造り商店などの屋内に祭壇を造るもの(屋形2)に大別されますが、いずれも「愛宕大神」の掛軸にそれぞれ工夫をこらしたお供え物を飾ります。
私が数えたところでは今年は旧町内(北八木町1~3、八木町2~3、南八木町2~3)で22ヶ所ありましたが多少の見落としはあるかもしれません。なお愛宕神社へは代表が祭の前に参拝して「火迺要慎」(ひのようじん)のお札をいただき、各戸に配られて火を使うところに貼られます。
平城京の朱雀大路から一直線に南下する古道「下ツ道」(中街道)がこの八木の町の真ん中を通り、また町の中央を東西に通る「横大路」(「竹内街道」の東方)が「札ノ辻」で交差する街道の町で、近世には伊勢参りでも賑わい今でも古い家並が軒を連ねています。
「愛宕祭」の中心はその「札ノ辻」を中心とした旧町内で行われ、普段は静かな「下ツ道」の通りがこの祭の夜だけは注連縄を張り祭提灯を掲げた家並に屋形や露店が並び、また数ヶ所に「造り山」もあって大変な人出となります。
今年の「造り山」は4ヶ所に造られていました。旧町内の北の端にあるのは「ブレーメンの音楽隊」と西洋物です。
伊勢参りの人々に振舞いをした「接待場」近くには「ゲゲゲの鬼太郎」の出し物。手作りのキャラクター物ですが良くできていて子どもたちを惹きつけていました。
JR畝傍駅東踏み切りの南の南八木町では「八岐大蛇」(やまたのおろち)の出し物。「つくりもの」では伝統的なもので、素盞嗚(スサノオ)が十束剣(とつかのつるぎ)を振り降ろしたり、大蛇の頭が動くなどこれもとても良くできています。ただし若い人たちにはこれが何のことなのか分らないようですし、中には大蛇を怖がって近寄って見られない子どももいました。
旧町内南端の晩成小学校の校庭には「ウルトラマン」。動きは無く手作り感たっぷりですが等身大の迫力です。以前は小学校で盆踊りをしていたようですが今年は無く、遊具や電動汽車の乗り物などに人気が集まっていました。
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