大和の「つくりもの」 5
2008年8月25日
「つくりもの」は全国に普通に見られたものだったのですが、次第にすたれていって少なくなりました。
大和では「立山」と言っていますが、いまはここに掲載した御所市東長柄の「天神祭」、橿原市八木町の「祇園祭」、広陵町三吉大垣内の「地蔵盆」だけになってしまったようです。
地域の人々が今年の出し物の趣向を相談し、数日前から材料などを用意して当日の朝から組み立て、夕刻からの祭に公開するというように手間のかかるものですから、地域が昔ながらの共同体を保っている場合は何とか続けていける素地はありますが、高齢化している地域では実作業ができなくて断念せざるを得ないようです。
また昔からの集落の周りに新しい住宅地ができ、それらと一体化されたためにコミュニティの人間関係が希薄となってできなくなっている場合もあるようです。それに「つくりもの」の持つ見せ物の要素が、現代の刺激性を求めて多様化したさまざまな見せ物に対して余りにも素朴なので関心を持ってもらえないことも大きな要因です。
しかし実際に廻って見たところでは、少なくとも子どもたちには興味を持ってもらえているようです。これは婦人会がこころを込めて造った手作りのアニメキャラクターだから成功しているのですが、伝統的な趣向(神話や伝説、忠臣蔵や源平合戦など)や、時事風刺の「つくりもの」もぜひ伝えていって欲しいと思います。
そこでこの「つくりもの」を伝え、復活していくためのボランティア活動の支援グループがあれば良いのになあと思いました。単純にイベントを請け負うのでなく、一定の大道具、小道具を用意しておいて地域の方々と趣向や施行を相談して造り上げる、そんな活動があれば地域活動の見直しや活性化にも役立つように思えます。
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