飛騨高山 松倉観音の絵馬市
高山市の松倉山にある松倉観音堂(衛星写真地図)では8月9日夜から10日にかけて絵馬市があり、参詣者は山中にある観音堂まで夜道を歩いて登ります。
松倉観音の絵馬堂では絵馬を求める参拝者のために夜を通して紙の絵馬に祈願の書きつけをします。絵馬は1,000円(小)から3,000円(大)で、これを「三千万両」と景気付けて呼んでいます。
松倉観音の窟屋にある普門院では年に一度、この日のために素玄寺の住職がご本尊の馬頭観音さまを奉じて登ってこられ、夜を徹して祈祷をされます。このご本尊の小さな馬頭観音さまは、かってはここに常在されていたのですが現在では東山の素玄寺観音堂に安置されています。元々は7月9日(旧暦)に養蚕の無事を祈ってここで祈り明かし、また農産業や運送の大切な担い手である牛馬の健康を願って祈祷されていたのですが、それが紙絵馬に代わったと言われています。
夜を通してご祈祷する行事のため、素玄寺住職や交代でお勤めする僧侶が一夜を過すお籠堂が松倉観音堂の大悲閣の奥にありお邪魔しました。古来から夜を徹して祈願するとご利益あらたかになるということから、他にも多くの祭や祈願の風習があるのですが、ここの絵馬市もそれを伝えていると思われます。今の時代に祈願のために闇の山中を登り、夜を明かす参詣者が多いことに飛騨びとの暮らしの深さを見たことでした。
「絵馬市」関連記事
(「松倉観音堂」については「なごりすとのページ」の「飛騨散策」もご覧下さい。)
オフィシャルサイト
このブログにあるすべての写真と文には著作権や肖像権があります。無断転載をお断りします。
All photos and writings on this site, there are copyright and portrait rights.
Use without permission is forbidden.
| 固定リンク | 0
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 飛騨高山 春爛漫(2023.04.09)
- 市杵島神社 「雨乞奉納」絵馬 (なもで踊り絵馬)(2023.03.16)
- 「第23回 入江泰吉と水門会写真展」開催(2022.10.17)
- 飛騨高山も雪景色(2021.12.18)
- あけましておめでとうございます 2022年元旦(2022.01.01)
「飛騨」カテゴリの記事
- 飛騨高山 春爛漫(2023.04.09)
- 飛騨高山 雪景色(2023.01.25)
- 2023年 あけましておめでとうございます(2023.01.01)
- 「第23回 入江泰吉と水門会写真展」開催(2022.10.17)
- 飛騨高山も雪景色(2021.12.18)
「歴史」カテゴリの記事
- 市杵島神社 「雨乞奉納」絵馬 (なもで踊り絵馬)(2023.03.16)
- ウクライナ侵略戦争(2022.04.18)
- 奈良・興福寺で「藤原不比等公1300年御遠忌」 "The 1300 years annual memorial services for FUJIWARA Fuhito" in Nara KOFUKUJI(2019.05.03)
- 百舌鳥・古市古墳群 世界遺産登録へ World Heritage Site registered with "MOZU and FURUICHI Ancient Tombs"(2019.05.14)
- 60年ぶりの名古屋テレビ塔 Nagoya TV tower 60 years before(2018.11.13)
コメント