ろうそく能 「石神」
豊田市能楽堂で「ろうそく能」。「ろうそく能」は電灯照明の無い頃の座敷などで百目蝋燭を灯して演じた風情を現代能舞台で再現する趣向で、舞台の周りに燭台を巡らせて蝋燭の灯で能・狂言を演じるものです。昔の人は行灯の灯で過していましたから百目蝋燭の灯は明るかったでしょうが、現代人は蝋燭の灯だけでは良く見えないので実際はわずかに電灯照明を入れるのが普通です。演出としては電灯照明を感じさせない照明を工夫するのに苦労するのですが、豊田市能楽堂は巧みに照明していて実に良い雰囲気です。それでも普段の舞台よりははるかに暗いので目が慣れてこないと良く見えません。またこれを撮影するのは大変で、いつもの1/100以下の明るさですからなにかと苦労します。
能は「殺生石」衣斐正宜、狂言は「石神」茂山千五郎、茂ほか。「石神」は新作狂言で茂山家の得意とするものの一つ。死神に憑かれ好かれた男が死神のお陰で大儲けをするのですが、死神を騙したために頓死してしまう物語。作は笛方の帆足正規。落語「死神」を元にしたものですが、その元はグリム童話の「死神の名付け親」、それがイタリアのコミック・オペラ「クリスピーノと死神」になり、それを三遊亭圓朝が新作落語にしたもののようです。
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