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2010年9月 3日 (金)

和泉市 弥生文化博物館

 

 和泉市の大阪府立弥生文化博物館衛星写真地図で開催している「MASK 仮面の考古学」が終りに近づいたので出かけました。「仮面」を人体に着すものと狭義に解釈すると、今回の展示では縄文・弥生の考古「仮面」は数少なく、多くは木製、土製の「人面」で、私が興味を持つ芸能とのかかわりについての考証は無く、祭祀との関係を示唆する程度でした。興味深かったのは「鼻曲がり」の「人面」がかなりあったことで、これは宗教と芸能の中でもっと考察されて良いことだと思われます。また祭祀に使われたと思われる面が使用後に砕かれ廃棄されているという事実は、宗教上も芸能面からも本質的な意味を示しているのでこのことは興味深いものでした。

 
 

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和泉市 弥生文化博物館 池上曽根遺跡展示室(パノラマ撮影) 2010.9.3 撮影:今駒清則

 

 

和泉市池上付近は以前から遺物が出土することで遺跡があることは知られていましたが、国道の敷設計画によって本格的な発掘調査がされ、紀元前後の環濠を有した集落であることがわかりました。私も1970年代から80年代にかけてこの池上・曽根の発掘現場を数回見学に行ったことがあります。現在は大阪府立の博物館が設けられ、考古全般と池上曽根遺跡の考古資料を常設展示しています。

 

 

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和泉市 弥生文化博物館 複製品に触れ、古代服が着られるコーナー  2010.9.3 撮影:今駒清則

 

 

の博物館の展示は子どもにもわかるようにさまざまに工夫されていて、考古学に興味を持たせるようにした優れた施設です。写真はレプリカながら実際に手に持つことができ、また復元古代服を自由に着ることもできるようになっています。さらに発掘された実物の土器を手にすることができるコーナーもあり、特別展を除いて写真撮影も自由です。これだけ優れた施設を採算性優先で存続を云々する橋下大阪府知事の施策は理解できません。

 

 

 

 

 

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