<ア−カイブ> 1955年の大阪風景

JR大阪駅の歴史写真が「大阪ステーションシティ」のホームページにアーカイブされていることを先日お知らせしましたが、別にこんなところにも1955年頃の大阪駅付近や中之島付近の映像があります。
戦後NHKラジオで長沖一の連続放送劇「お父さんはお人好し」が放送され大好評でした。それを1955(昭和30)年に大映映画が斎藤寅次郎監督で映画化しこれも大好評でした。主役に花菱アチャコ、浪花千栄子、ほか堺駿二、益田喜頓といった喜劇役者で固めた娯楽映画で、大阪・天下茶屋の果物屋を舞台に、夫婦と13人の子どもがさまざまな事件を乗り越えていく人情物語で、中には與安丸でシベリアから引揚げてくる場面もあり、さまざまな場面が戦後の暮らしをよく反映している映画です。映画の中身を分析するとこれはこれでなかなか興味深いのですが、それはさておいて、この映画の冒頭には大阪の風景が映し出されています。
冒頭のタイトル、配役名と共に阪神百貨店の上から国鉄大阪駅を写し(上の写真)、阪急百貨店、曽根崎警察署、と南へパンニングします(衛星写真地図)。次は中之島の朝日新聞社の上から、まだ更地になっている新ダイビル付近、日本銀行、堂島川、大阪市役所、土佐堀川、住友銀行ビル、今は無き西横堀川、大同生命ビル、錦橋、四ツ橋筋、大空襲にも奇跡的に焼け残った江戸堀の町並みが映し出されます(衛星写真地図)。次いで舞台地の天下茶屋付近?(衛星写真地図)から大阪中心部方面をパンして天下茶屋の果物屋へカメラが入ります。ここでは大阪大空襲で焼けたあと建てられた木造住宅の家並の彼方に大阪城天守閣だけがくっきりとそびえ建つシーンが見られます。またラストシーンも難波・高島屋からまだビルの少ない御堂筋を映し出します(衛星写真地図)。
この映画がパンニングする各画面をキャプチャしてパノラマ写真を作成してみましたので貴重な歴史写真ができました。映画の著作権の関係でここに掲載できませんので、機会があればどこかでこの映画をご覧頂きたいのですが(注:DVDにはなっていないようなのですが)、終戦後10年の大阪なのによく復興していることや、写っているビルのほとんどが現在では建替えられてしまっていることがよく分ります。当時の制作は記録を意図したものではなかったのでしょうが、今では貴重な記録になっていることに映像や写真の特性があります。
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