「御城主御武運長久」
大和郡山市での写真審査の前に郡山城下を久しぶりに散策しました。今回は外堀を巡っていて良いものを発見したのですが、それはまた後ほどにして、季節柄、梅花満開だった郡山八幡神社(衛星写真地図)です。
社伝によれば東大寺へ宇佐八幡神を勧請した天平元年、八幡さまが郡山を通る際にここへも、ということで勧請した八幡さまを祀った柳八幡宮が、豊臣秀長による天正年間の郡山築城の際に現在地へ移されて郡山の氏神として崇敬されています。境内には梅の若木が並んでいて良い香りがただよっていました。
神社参道の灯籠に珍しいものを見ました。灯籠の竿に「御城主御武運長久」とあります。基壇石には「和州御領中」とありますので郡山藩領民からの寄進でしょう。建立は「天保七丙申年五月吉日」(1836年)、領主の武運長久を願って刻まれるのは少ないのではないでしょうか。郡山ではこの他に車町の西方寺東隣りの宮内社にも同文で安政2年2月(1855年)の石灯籠があります。
この灯籠が建てられた時の郡山藩城主は柳沢保泰ですが、翌々年の1838(天保9)年5月、57歳で江戸にて死去し、新宿区河田町の月桂寺にある柳沢家歴代墓所に葬られました。保泰は教育・武芸に熱心だったので領民に慕われたのでしょう、なにかの異変を感じた領民の願いがこの灯籠に込められているように思えたのですが。
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