長崎 平和公園の平和祈念像 2000年 撮影:今駒清則 66年目の長崎原爆忌。小雨の中の平和公園で始まった被爆66周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典をいつものようにテレビ中継で視聴。黙祷。今年の長崎市の平和宣言は先の広島市よりも一歩踏み込んだ核廃絶を願う良いアピールでした。
長崎市平和宣言 2011
その一部をお借りします。全文は「平和宣言」をご覧下さい。
(前略)「ノーモア・ヒバクシャ」を訴えてきた被爆国の私たちが、どうして再び放射線の恐怖に脅えることになってしまったのでしょうか。
自然への畏れを忘れていなかったか、人間の制御力を過信していなかったか、未来への責任から目をそらしていなかったか……、私たちはこれからどんな社会をつくろうとしているのか、根底から議論をし、選択をする時がきています。
たとえ長期間を要するとしても、より安全なエネルギーを基盤にする社会への転換を図るために、原子力にかわる再生可能エネルギーの開発を進めることが必要です。
福島の原発事故が起きるまで、多くの人たちが原子力発電所の安全神話をいつのまにか信じていました。
世界に2万発以上ある核兵器はどうでしょうか。
核兵器の抑止力により世界は安全だと信じていないでしょうか。核兵器が使われることはないと思い込んでいないでしょうか。1か所の原発の事故による放射線が社会にこれほど大きな混乱をひきおこしている今、核兵器で人びとを攻撃することが、いかに非人道的なことか、私たちははっきりと理解できるはずです。
世界の皆さん、考えてみてください。私たちが暮らす都市の上空でヒロシマ・ナガサキの数百倍も強大になった核兵器が炸裂する恐ろしさを。
人もモノも溶かしてしまうほどの強烈な熱線。建物をも吹き飛ばし押しつぶす凄まじい爆風。廃墟には数え切れないほどの黒焦げの死体が散乱するでしょう。生死のさかいでさまよう人々。傷を負った人々。生存者がいたとしても、強い放射能のために助けに行くこともできません。放射性物質は風に乗り、遠くへ運ばれ、地球は広く汚染されます。そして数十年にもわたり後障害に苦しむ人々を生むことになります。
そんな苦しみを未来の人たちに経験させることは絶対にできません。核兵器はいらない。核兵器を人類が保有する理由はなにもありません。 (後略)
宣言はこの後、アメリカ政府へ、また核保有国へ、日本政府へと「核兵器のない世界」の実現を求め、放射線による被爆実態を知らしめるための「小さな展覧会」を開催するようアピール。さらに東日本大震災と福島第1原子力発電所事故による被災者への復興の励まし、原爆と大震災の犠牲者を弔い、「核兵器廃絶」を訴えていく決意が述べられているものでした。
また菅首相は「我が国のエネルギー政策について、白紙からの見直しを進めている」とし、「原発に依存しない社会を目指す」と広島市平和記念式典と同様に核エネルギーに対する政府の表明をしています。その通りこれらが一刻も早く実現できるよう願うばかりです。
長崎 被爆した浦上天主堂の天使像 2000年 撮影:今駒清則 爆心に近かった浦上天主堂(衛星写真地図)は原爆によって壊滅的に破壊されましたが、1959年に再建され、その後改築し現在に至ります。天主堂への道筋には天主堂に飾られていた聖人や天使の像が、熱線で焼かれ落下して傷んだ姿のまま並べられていて原爆の被害を今に伝えています。
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