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2012年10月23日 (火)

フェスティバルホール 甦った「牧神」レリーフ

 

  大阪・中之島に「中之島フェスティバルタワー」が11月6日に竣工します。2009年の「新朝日ビルディング」「フェスティバルホール」解体から3年、地上39階(38・39階は塔屋)、地下3階、高さ200mで中之島では最も高いビルです。

 
 

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中之島フェスティバルタワー(中央) 筑前橋から東を望む 2012.10.15  撮影:今駒清則
Nakanoshima Festival Tower (center), View from the Chikuzen-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori

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フェスティバルホールが消えた風景 筑前橋から東を望む 2010.1.15  撮影:今駒清則
Landscape Festival Hall is gone, View from the Chikuzen-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  「中之島フェスティバルタワー」にはもちろん「フェスティバルホール」(4F~8F)があります。最上階の37Fにはカンファレンスルームの「フェスティバルスイート」とフランス料理「ラ・フェット ひらまつ」、上階はオフイスゾーン(16F~36F)、朝日新聞大阪本社(9F~13F)、ロビーとなる「スカイロビー」(13F)、下層階にはレストランや商業施設の「フェスティバル・プラザ」、それに珍しく保育所「キッズ スクウェア」などが設けられ、11月28日から順次オープンして行く予定で、それに伴いレリーフのライトアップや「スカイロビー」での映像ショー、1F大階段をステージとしたショーなどのイベントも開催されます。

 
 

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新「フェスティバルホール」部分を栴檀木橋から望む 2012.10.15  撮影:今駒清則
New Festival Hall, View from the Sendannoki-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori

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かっての「フェスティバルホール」を栴檀木橋から望む 2009.3.17  撮影:今駒清則
Old Festival Hall, View from the Sendannoki-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  大阪市中央公会堂や大阪府中之島図書館へ渡る「栴檀木橋せんだんのきばし」から土佐堀川の下流を眺めると右岸に中之島のビル群が望めます衛星写真地図。写真手前は「淀屋橋」、「阪神高速道路」の向こうに「フェスティバルホール」、「朝日新聞大阪本社ビル」などが並んでいます。「朝日新聞大阪本社ビル」と北隣りの「大阪朝日ビル」は「フェスティバルタワー」と同様なツインの超高層ビルに今後建替えられる予定です。

 
 

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新「フェスティバルホール」南壁面、「錦橋」から 2012.10.15  撮影:今駒清則
South wall of the new Festival Hall, Nishiki-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori

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旧「フェスティバルホール」南壁面。左は「新朝日ビルディング」 2008.2.25  撮影:今駒清則
South wall of the old Festival Hall, ShinAsahi Building left. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  「フェスティバルホール」は1958(昭和33)年にオープンし、日本一の音楽ホールとして定評がありました。それはホールの響きが当時としては大変に良かったからに他なりません。今回の改築でもその音響特性を維持し、客席規模は以前と同程度ながら客席椅子の幅や前後間隔をやや広くしゆったりさせています。舞台の高さは旧ホールの1.14倍、奥行きは1.4倍になり、舞台袖やオーケストラピットも拡幅されて舞台総面積は約2倍の規模になり、楽屋も1.7倍に、音響、照明も最新の設備となりました。これにより舞台製作やオペラなどでも大規模で複雑なステージが演出されることでしょう。そしてホールのシンボルである外壁のレリーフ「牧神、音楽を楽しむの図」もほぼ同じようになって甦ってきました。
 また恒例となっている「大阪国際フェスティバル」も来年からこのホールに戻ってきて第一級のコンサートやオペラなどをまた見せてくれることでしょう。

 
 

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新「フェスティバルホール」外壁のレリーフ 2012.10.15  撮影:今駒清則
Relief on the outer wall of the new Festival Hall. Photo : KOMMA Kiyonori

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旧「フェスティバルホール」外壁のレリーフ  撮影:今駒清則
Relief on the outer wall of the old Festival Hall. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  「フェスティバルホール」の南外壁を飾っていた「牧神、音楽を楽しむの図」のレリーフは旧状を保って新たに製作されています。旧ホールのレリーフは下記の資料によれば、朝日新聞社の依頼で「行動美術協会」彫刻部の作家たちが信楽で約3ヶ月かけて青釉薬の陶器で製作。中島快彦の原案、建畠覚造の設計、向井良吉・今村輝久・野崎一良・松岡阜らの制作によるもの。今回再製作されたレリーフは「大塚国際美術館」の名画陶板などを手がけた「大塚オーミ陶業株式会社」が製作したものです。新旧を比較してみると旧レリーフはタイル地に青釉薬の陶器製レリーフ、横縦比は123:100の横長にレイアウトされていました。新レリーフは旧観を意識した色合いのブロックタイル地に青釉薬の陶器製レリーフ、太陽が少し上り、鳥を手にする女性が右下に下っていて、横縦比は100:113のやや縦長にレイアウトされています。

 同レリーフ関連記事リンク
  「月刊・お好み書き」 2009年2月号「フェスティバルホールのレリーフ保存」
  「大塚オーミ陶業株式会社」 「レリーフ製作プロジェクト」(pdf)

 その「フェスティバルホール」の開業記念式典は2013年4月3日。 こけら落しは4月10日で「大阪国際フェスティバル」の初日公演「フェニーチェ歌劇場 ガラ・コンサート」。以後「フェニーチェ歌劇場」「ロリン・マゼール指揮・ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」「佐渡裕指揮・BBCフィルハーモニック」「大植英次指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団」と続き、すでにオンライン、電話予約など受け付け中(窓口販売は11月から)です。楽しみですね。

 

 

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