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2012年12月 1日 (土)

埴輪が立並んでいた 土師ニサンザイ古墳 堺市

 

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土師ニサンザイ古墳 北側全景 堺市 2012.12.1  (パノラマ写真)撮影:今駒清則
Panoramic view of Haze-nisanzai Tumulus, Sakai city. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  百舌鳥古墳群の東寄りにある土師ニサンザイ古墳(東百舌鳥陵墓参考地、大型前方後円墳では最も新しい5世紀後半の古墳)<衛星写真地図の発掘調査の状況を一般に公開しました。古墳の裾周りが侵食されているので護岸工事を計画、事前調査を行ったもので、古墳内は陵墓参考地として管轄する宮内庁が、濠周辺は堺市が発掘調査を行っています。写真は前方部を西に向けた土師ニサンザイ古墳で北西から撮影。手前が前方部で、濠へ臨時に架けられた橋の袂が造出しになります。

 
 

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土師ニサンザイ古墳 前方部南西角 2012.12.1  撮影:今駒清則
Southwestern corner of
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  前方部の南西角を見たものです。墳丘の裾は斜面になっていたはずですが侵食されてほぼ垂直になっています。まばらに樹がある部分が1段目のテラス(平坦部)で、そこから右へ2段目テラスへの斜面が立ち上がっているのが良く分ります。

 
 

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土師ニサンザイ古墳の造出し 2012.12.1  撮影:今駒清則
The Narrow terraces of
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  見学用の足場は北側造出しの前に設けられて造出しテラスの発掘状況が良く見えるようになっていました。写真では右端が前方部、中央が造出し、その向こうがくびれ部から後円部になります。造出しのテラスや斜面も発掘作業が行われていて斜面の確認もできたようです。

 
 

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土師ニサンザイ古墳の造出しテラス 埴輪列と須恵器 2012.12.1  撮影:今駒清則
The Cylindrical clay column and Unglazed vessels, Terrace of narrow terraces,
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  その造出しのテラスには濠側に埴輪列があり、内側に須恵器が置かれていました。ここから小型の壺や鏡などが出土していますので、なにか祭祀的な意味がある場なのでしょう。

 
 

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土師ニサンザイ古墳 後円部北側 1段目と2段目 2012.12.1  撮影:今駒清則
The Terrace and slope, The base step and the second step,
The north side back circular part,
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  後円部北側の1段目テラスとその奥の2段目斜面の状況。表示プレートの一番上が2段目テラス、その下の斜面裾の発掘部分では葺石を検出、手前は1段目テラスで濠寄りに円筒埴輪が隙間なく並んでいます。

 
 

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土師ニサンザイ古墳 後円部北側 斜面裾の葺石 2012.12.1  撮影:今駒清則
The stones covering an old tomb of slope hem,
The north side back circular part,
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  その2段目斜面の裾に張られた葺石。今の古墳は林のように樹が一杯ですが、築造時の古墳はこの葺石で全面覆われていて白く輝いていたことでしょう。

 
 

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土師ニサンザイ古墳 後円部北側 埴輪列 2012.12.1  撮影:今駒清則
The Cylindrical clay column, north side back circular part,
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  1段目テラスの円筒埴輪列です。1段目テラスだけでおよそ2,800個が並んでいるであろうと推測していました。まだ発掘されていませんが2段目のテラスや墳頂部の周囲にもこのようにぎっしりと埴輪が立並んでいることでしょう。この古墳は良く保存されていて築造時そのままの姿が出現しています。

 
 

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土師ニサンザイ古墳 後円部北側の埴輪 2012.12.1  撮影:今駒清則
The Cylindrical clay column, north side back circular part,
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  円筒埴輪の一つ、直径が35cm前後です。この発掘では埴輪を立ち姿で見せていますがこれは余り見たこと無いものです。埴輪列が分りやすいのは良いことなのですが。

 
 

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土師ニサンザイ古墳 後円部東側のテラス 円筒埴輪列と葺石 2012.12.1  撮影:今駒清則
The Cylindrical clay column and stones covering an old tomb,
Terrace of east side back circular part,
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  後円部東側1段目テラスの埴輪列と2段目斜面の葺石。現在19ヶ所の調査をしていますがどこも同様な状況で、築造時が良く分る古墳です。

 
 

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土師ニサンザイ古墳 後円部東側 墳丘裾 2012.12.1  撮影:今駒清則
The foot of the burial mound, The east side back circular part,
Haze-nisanzai Tumulus. Photo: KOMMA Kiyonori
 

  同じく後円部東方の墳丘裾。濠の堆積泥土の下になっていますが、発掘により葺石と褐色の土で裾の斜面が良く分ります。この裾の位置は今回初めて確認されたもので、従来の古墳長より片側5mほど大きく、この古墳が300mを超える古墳長となり、渋谷向山古墳(景行天皇山邊道上陵)を上回って全国で7番目の大きさの古墳となるため、これから被葬者探しが盛んになることでしょう。

 

 

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