シンポジウム「奈良きたまち学」
Symposium "Nara Kitamachi Studies", Nara New Public Hall Noh theater. Photo: KOMMA Kiyonori
古代楽器「箜篌(くご)」の演奏に続いて、奈良の「きたまち」についてのシンポジウム「奈良きたまち学」です。「きたまち」とは登大路・興福寺辺りから北側の地域を最近言うようになったもので、一方「ならまち」と言う呼び名もかなり浸透していて、こちらは興福寺から南の街になります。元々「ならまち」「きたまち」も「奈良町」なのですが、街の活性化を図るために現代風にひらがなで呼んでいます。ただいずれも行政地名ではありません。
そのシンポジウムではいずれも奈良生まれの専門家からの提言などがあり、とても興味深い内容でした。
"Tegaimon"gate sunset sunburst. Photo: KOMMA Kiyonori
パネリストの洋画家・絹谷幸二氏は「きたまち」にある東大寺転害門の雄渾さとその美しさに触れ、また美術を核に「きたまち」の振興を図ることが大切であると発言。
Buddha stone Kamakura period in the temple of "Kitamachi". Photo: KOMMA Kiyonori
元興寺文化財研究所の狭川真一氏は、「きたまち」に貴重な石造文化財が多い、般若寺にある鎌倉時代の笠塔婆や十三重塔、多聞山城や焼門の石仏や礎石、町内の寺々にある石仏などを具体的にあげられました。
奉行所だったので二階に窓が無い 2013.6.1 撮影:今駒清則
Kitamachi guide office original Nabeya town police station
and Tool shop old-fashioned. Photo: KOMMA Kiyonori
県立図書情報館の千田稔氏は、平城京朱雀門から東に延び、東大寺西大門に至る二条大路は、奈良の人が親しんでいる一条大路や三条大路に引けを取らない古代からの道でもっと見直す必要があるだろう、またその周辺には知られていない見どころがある、と例を何ヶ所もあげて説明されました。熱気のあるシンポジウムで、進行役の文化創造アルカ代表の倉橋みどり氏は、それで時間が足りなくなってしまったので次回のシンポジウムを考えたい、と締めくくりました。
シンポジウム終了後に帰る足でその二条大路を歩いてみました。西大門跡から西へ、今は何の変哲もない町中の道ですが、朱雀門に通じる道となれば何かこころが踊ってきます。この辺りのことはまたいずれゆっくり歩いてから掲載したいと思いますが、花芝町付近(Google Map)にさしかかるといつになく人出が多いのです。「奈良きたまちweek2013」とのことで、活性化のためのいろいろな企画があり出店も出て賑わっていました。
(バックナンバーの明治の奈良市「ならまち」、明治の奈良市「きたまち」の項もご覧下さい)
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