箜篌を聴く シンポジウム「奈良きたまち学」
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奈良の歴史や文化を掘り下げ、奈良の魅力を発信しようと活動している文化創造アルカが主催したシンポジウム「奈良きたまち学」が催されました。オープニングは「箜篌(くご)」の演奏、「箜篌」は古代の楽器なので聴く機会がなくきていましたが、幸いなことに今回初めて聴くことができました。奈良国立博物館の内藤栄氏の解説、摩寿意英子氏の演奏で天平の調べが会場の奈良県新公会堂能楽堂に音量豊かに響き渡ります。現代のハープの原形となる弦鳴楽器ですが、シルクロードから東大寺に伝わり、それが正倉院の宝物として破損しているものの2つが保存されています。演奏された「箜篌」はそれを復元したもののようですが、いかにも素朴な古代の音色でした。
Relief image to play the ancient musical instrument harp,
Gongxian Buddhist Caves, China. Photo: KOMMA Kiyonori
「箜篌」はシルクロードにある中国の石窟の壁画や浮彫に演奏する姿が残っています。北魏時代末(6c)の鞏県(きょうけん)石窟(河南省鞏義市 GoogleMap)の第1窟南壁「皇帝礼仏供養者群像」下部で、奏楽する諸天の中に「箜篌」が見られます(写真)。また第3窟西壁、第4窟北壁にも「箜篌」を演奏する姿が浮彫されています。
Mural image to play the ancient musical instrument harp,
Mogao Cave, Dunhuang, China. Photo: KOMMA Kiyonori
莫高窟(甘粛省敦煌市 GoogleMap)でも第220窟(初唐・7c)の「薬師浄土変相図」(写真)、第85窟(晩唐・9c)の「法華経変相図」などに「箜篌」を演奏する場面が見られます。壁画や浮彫で見た古代楽器を今回の演奏で実感できたのは感動でした。
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