フィルムのカビ
2014年2月5日
冬は乾燥して気温が低いのでフィルムの整理に適しています。今年も作業を続けていたら1979年に中国を取材したカラーフィルムにカビが発生していました。
甘粛省・ゴビ灘 1979.4.15 撮影:今駒清則
EKTACHROME EPD Film mold occurs. Photo : KOMMA Kiyonori
甘粛省・ゴビ灘 1979.4.15 撮影:今駒清則
EKTACHROME EPD Film mold occurs. Photo : KOMMA Kiyonori
One of the mold
画面に何かが楽しそうに宙を舞っているように見えますが、これはKodak EKTACHROME EPD(5036)カラーフィルムに発生したカビです。フィルムはKodakのスライドマウントにマウントしてあるものですが、コマによって発生状況は千差万別です。ただし同じ時に撮影し、同様に保存しているKODACHROME KR(5032)には発生していません。
これはフィルムの経年変化で加水分解されてできた水分にカビが発生したものと思われます。そこでこのカビの除去作業を始めました。
といっても特別なことはしません。この場合は水洗いするだけです。スライドマウントからフィルムを取り出し水に浸します。暫くしてから流水でカビの発生したフィルムの乳剤面を中心に洗い流して水切剤のドライウエルに浸し、ホコリの無い環境で乾燥させます。
甘粛省・ゴビ灘 1979.4.15 撮影:今駒清則
The film which removed mold. Photo : KOMMA Kiyonori
甘粛省・ゴビ灘 1979.4.15 撮影:今駒清則
The film which removed mold. Photo : KOMMA Kiyonori
フィルムの乾燥後は再び新しいスライドマウントに納めます。フィルムの乳剤面をよく見るとカビの痕跡はわずかに残っていますが画質には影響ありませんでした。
なおカビが発生したフイルムを入れていたストレージは廃棄し必ず新しいものにします。またフィルムやカビの種類によっては水洗いだけではきれいに除去できない場合があります。
今回の作業に難しいことはありませんが、Kodakのペーパーマウントからフィルムを取り出すのが面倒なことでした。
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