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2016年4月 5日 (火)

復曲試演の会 復曲能『鐵門』  本公演は6月5日に

  

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復曲能「鐵門」公開稽古の様子 京都観世会館 2016.4.5  撮影:今駒清則
Resurrection Noh "Tetsumon" Public practice, Kyoto Kanze Noh theater. Photo:KOMMA Kiyonori
  
  

2016年4月5日
 京都観世会が能「鐵門」の復曲を企画し、6月の本公演に先立ってその試演を関係者に公開しました。これを能楽専門紙「能楽タイムズ」2016年5月号に掲載しましたので同紙面から転載します。

  

 復曲試演の会 復曲能『鐵門』
虚子原作の新作能 6月に京都観世会館で

 6月5日(日)1時より、京都観世会館にて、第4回『復曲試演の会 百年目の復曲 復曲能〈鐵門〉』が行われる。

 復曲能「鐵門(てつもん)」は、俳人の高浜虚子がベルギーの劇作家モーリス・メーテルリンクの戯曲「タンタジールの死」に構想を得て、大正4年の暮れに書いた新作能で、翌大正5年の1月6日に鎌倉能舞台にて試演された。この試演から100年目迎える本年、京都観世会の手によって復曲される。復曲にあたるメンバーは監修・校訂・補綴=西野春雄、節付=河村晴道、型付=青木道喜、制作=片山九郎右衛門、味方健。作品には、虚子の幼くして亡くなった愛娘六(六子)への哀悼の念がこめられ、生と死を分つ絶対的な存在と、それに対する人間の恐れが鐵の門に象徴され描かれる。

 この公演に先立ち、4月5日に同能楽堂でプレ公演が行われた。
 このプレ公演は現在までに種々検討された演出を研究者や報道関係向けに公開稽古能として披露したもので、善光寺参りの僧(ワキ)の前に姫(ツレ)と宮中を守る老僕・衛門の介(シテ)の霊が現われて物語るには、ある日、死の使いの悪尼(アイ)が姫を誘い出し、衛門の介は姫の跡を必死で追うが聳える鐵の門に阻まれ。人間の力ではどうしようもない理りを知り、僧に救いを求めて消えるという舞台経過で演じた。
 その後記者会見を行い、西野春雄、片山九郎右衛門、河村晴道、青木道喜が制作の経緯を豊富な資料と共に説明し、質疑応答を行った。なお当日アイ・門前の者は茂山茂が演じたが、本公演では茂山逸平が演じる。

 本公演のプログラムは、講演「死の象徴、鐵の門」西野春雄、能「歌占」シテ杉浦豊彦、ツレ林宗一郎、子方・吉田知史、囃子・杉市和、曽和鼓堂、河村大、仕舞「実盛・キリ」片山九郎右衛門、「遊行柳・キリ」井上裕久、「藤戸」浦田保浩、能「鐵門」シテ青木道喜、ツレ分林道治、ワキ宝生欣哉、アイ・茂山逸平、小笠原匡、囃子・杉信太朗、吉阪一郎、谷口正壽、前川光範ほか。
 入場料はS席=6000円、A席=5000円、学生席=2000円。
 申込み・問合せ=京都観世会館 電話 075-771-6114

(写真と報告:今駒清則)

 

 

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