上原 和先生 旅立つ
Chag Shuhong & Kazu Uehara, Dunhuang Institute of Cultural Relics. Photo : KOMMA Kiyonori
2017年2月10日
美術史家の上原和先生が2月9日に逝去されたとの報を受けました、92歳。2015年6月18日に新宿御苑のギャラリーで私たちが開催した「能楽写真家協会・能楽写真展」に雨の日なのにお出でいただき、お目にかかったのが最後になりました。少し足が弱られておられたのにお一人で来られ、会場で写真をご覧になられて随分喜ばれたのが印象に残っています。
先生は聖徳太子と法隆寺研究で知られ、1975年の名著「斑鳩の白い道の上に 聖徳太子論」(朝日新聞社)で聖徳太子を生き生きと描き、古代美術の研究から中国仏教美術にもその源を求め、1979年の早くに中国・敦煌莫高窟を訪れ、その後十数度にわたって敦煌を訪れ研究交流されました。
その1979年は敦煌莫高窟が外国人に開放された年で、開放最初期の敦煌へは美術研究家や宗教家の錚々たる大家で構成された訪中団で訪れ(そこへ私もその中に臆面もなく入れていただきました)、当時敦煌まではまだ航路が無く鉄道で向い、莫高窟の見学と撮影は敦煌文物研究所(現・敦煌研究院)の常書鴻所長(1904-1994)の特別なお計らいにより3日間の詳細な見学が可能となり、また常書鴻先生ご夫妻とも敦煌文物研究所で懇談が叶いました。
写真はその時の常書鴻所長と上原先生で、上原先生は当時55歳。上原先生のご業績を讚え安らかなお眠りをお祈りいたします。
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