2015年1月21日
ターナー色彩株式会社のアクリルガッシュ・普通色に「ジェットブラック」があります。黒色マットなので反射がすごく少ない、つまり市販絵具では最黒とも言える絵具で、手軽に購入できます。
これを最近の普及型レンズに付属するレンズフードに塗装してみます。この手のフードは内面が黒色プラスチックのままなので、角度によっては反射して光ります。フードは有害光線を遮断するためのものですからこれは好ましいことではありません。
下の写真はそのプラスチック製フードに「ジェットブラック」を塗ったものと、そうでないものの比較です。(なおこの2つのフードのメーカーは異なっていますので厳密には黒さが違っています)
レンズフードに「ジェットブラック」を塗装(左) 2014.12.26 撮影:今駒清則
Painted the "JET BLACK" to the lens hood (left). Photo : KOMMA Kiyonori 左がフード内面を「ジェットブラック」で塗装したもの。右が製品のままのもの。一目瞭然ですね。
「sima SF lens」鏡胴の内面反射 2014.12.12 撮影:今駒清則
"sima SF lens" barrel of internal reflection. Photo : KOMMA Kiyonori
「sima SF lens」鏡胴に「ジェットブラック」を塗装 2014.12.12 撮影:今駒清則
Painted the "JET BLACK" to "sima SF lens" barrel. Photo : KOMMA Kiyonori 次にソフトフォーカスレンズの「sima SF lens」をテストしてみました。とてもレアなレンズですのであまり参考にならないかもしれませんが、とりあえず結果をご覧下さい。
このレンズは単玉のレンズに黒色プラスチックの鏡胴でできています。鏡胴の内部は何の処理もしていないので反射してピカピカ光ります。レンズは収差が多く多量のフレアが生じるのでソフトフォーカス効果になるのですが、それだけではなく鏡胴の内面反射光によってさらにフレア(+ハレーション)が増加しています。そのため撮影した画像の暗い部分が暗くならず必要以上に明るくなって写ります。ハイキー調の写真の場合は良いのですが、コントラストが欲しい写真の場合は、撮影後の画像処理で調節する必要があり、従って画質が低下してしまいます。
この「sima SF lens」の鏡胴内面に「ジェットブラック」を塗装した場合の比較を上に掲載しました。これも鏡胴を覗いてみると内面反射が激減していることが一目で分ります。
雲(「sima SF lens」で撮影) 2014.12.25 撮影:今駒清則
Cloud ("sima SF lens" shooting). Photo : KOMMA Kiyonori 「ジェットブラック」を塗装した「sima SF lens」で撮影した写真です。画面に太陽を入れた場合、今までですとフレア(+ハレーション)で真っ白な写真になるのですが、塗装後は黒雲が黒く写り、空のディテールも普通に描写されるようになりました。
花(「sima SF lens」で撮影) 2014.12.25 撮影:今駒清則
Flower ("sima SF lens" shooting). Photo : KOMMA Kiyonori 暗い背景の場合もしっかりと暗さが出るようになりました。それだけ明るい部分のフレアが引立ちます。
枯葉(「sima SF lens」で撮影) 2014.12.27 撮影:今駒清則
Dead leaf ("sima SF lens" shooting). Photo : KOMMA Kiyonori 明るい背景で撮影した場合でも暗い(黒い)部分や細部の描写がしっかり出るようになりました。
私は鏡胴に直接「ジェットブラック」を塗装しましたが、紙に塗装してそれを丸めて鏡胴へ入れるという方法もあります。こうすれば元々の強いフレアが欲しい場合は塗装紙を取り外せば良いわけです。
このように内面反射を「ジェットブラック」の塗装で防いでくれますので、内面反射が多いようなものに塗装すれば大変効果があります。なおこれらの工作は自己責任でお願いします。
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