カテゴリー「音楽」の記事

2013年6月 1日 (土)

箜篌を聴く シンポジウム「奈良きたまち学」

 <一時期、この項の記事の一部が表示されない不具合がありましたのでお詫びいたします。現在は正しく表示されています。  

 奈良の歴史や文化を掘り下げ、奈良の魅力を発信しようと活動している文化創造アルカが主催したシンポジウム「奈良きたまち学」が催されました。オープニングは「箜篌(くご)」の演奏、「箜篌」は古代の楽器なので聴く機会がなくきていましたが、幸いなことに今回初めて聴くことができました。奈良国立博物館の内藤栄氏の解説、摩寿意英子氏の演奏で天平の調べが会場の奈良県新公会堂能楽堂に音量豊かに響き渡ります。現代のハープの原形となる弦鳴楽器ですが、シルクロードから東大寺に伝わり、それが正倉院の宝物として破損しているものの2つが保存されています。演奏された「箜篌」はそれを復元したもののようですが、いかにも素朴な古代の音色でした。

 

 

 

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中国・鞏県石窟 第1窟南壁 箜篌を奏でる奏楽天 1979.4.28  撮影:今駒清則
Relief image to play the ancient musical instrument harp,
Gongxian Buddhist Caves, China. Photo: KOMMA Kiyonori

 

 

 「箜篌」はシルクロードにある中国の石窟の壁画や浮彫に演奏する姿が残っています。北魏時代末(6c)の鞏県(きょうけん)石窟(河南省鞏義市 GoogleMap)の第1窟南壁「皇帝礼仏供養者群像」下部で、奏楽する諸天の中に「箜篌」が見られます(写真)。また第3窟西壁、第4窟北壁にも「箜篌」を演奏する姿が浮彫されています。

 

 

 

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中国・敦煌・莫高窟 第220窟北壁 薬師浄土変相図の箜篌 1979.4.18  撮影:今駒清則
Mural image to play the ancient musical instrument harp,
Mogao Cave, Dunhuang, China. Photo: KOMMA Kiyonori

 

 

 莫高窟(甘粛省敦煌市 GoogleMap)でも第220窟(初唐・7c)の「薬師浄土変相図」(写真)、第85窟(晩唐・9c)の「法華経変相図」などに「箜篌」を演奏する場面が見られます。壁画や浮彫で見た古代楽器を今回の演奏で実感できたのは感動でした。

 

 

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2012年12月17日 (月)

春日若宮 おん祭 松之下式 「弓矢立合」

 

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春日若宮 おん祭 松之下式 「弓矢立合」金春安明 金春憲和 高橋忍 2012.12.17  撮影:今駒清則
Kasuga-wakamiya Onmatsuri Festival, Sarugaku "Yumiya-tatchiai". Photo: KOMMA Kiyonori
 

  奈良・春日大社の若宮社の祭礼で、お旅所の行宮へお遷りされた若宮さまへ壮大な行列が市内からお旅所に向けてお渡りします。一の鳥居をくぐってすぐに「影向の松」があり、その前で古来からの芸能が行われます。
 猿楽、田楽、細男(せいのお)など古式の芸が格式高く演じられた後お旅所へ向い、お旅所でも各種の神事芸能が若宮さまに奏されます。

 このおん祭では猿楽(能楽)が祭事にかなり重要な役回りをしていて、芸能の生い立ちを考えるのに好例の内容で芸能研究には必見の祭です、猿楽は今では脇方高安流宗家の「開口」、シテ方金春流宗家の「弓矢立合」、狂言方大蔵流茂山家の「三笠風流」が演じられています。なおその他の多彩な芸能や祭については春日大社の「おん祭」をご覧ください。

 

 

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2012年10月23日 (火)

フェスティバルホール 甦った「牧神」レリーフ

 

  大阪・中之島に「中之島フェスティバルタワー」が11月6日に竣工します。2009年の「新朝日ビルディング」「フェスティバルホール」解体から3年、地上39階(38・39階は塔屋)、地下3階、高さ200mで中之島では最も高いビルです。

 
 

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中之島フェスティバルタワー(中央) 筑前橋から東を望む 2012.10.15  撮影:今駒清則
Nakanoshima Festival Tower (center), View from the Chikuzen-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori

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フェスティバルホールが消えた風景 筑前橋から東を望む 2010.1.15  撮影:今駒清則
Landscape Festival Hall is gone, View from the Chikuzen-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  「中之島フェスティバルタワー」にはもちろん「フェスティバルホール」(4F~8F)があります。最上階の37Fにはカンファレンスルームの「フェスティバルスイート」とフランス料理「ラ・フェット ひらまつ」、上階はオフイスゾーン(16F~36F)、朝日新聞大阪本社(9F~13F)、ロビーとなる「スカイロビー」(13F)、下層階にはレストランや商業施設の「フェスティバル・プラザ」、それに珍しく保育所「キッズ スクウェア」などが設けられ、11月28日から順次オープンして行く予定で、それに伴いレリーフのライトアップや「スカイロビー」での映像ショー、1F大階段をステージとしたショーなどのイベントも開催されます。

 
 

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新「フェスティバルホール」部分を栴檀木橋から望む 2012.10.15  撮影:今駒清則
New Festival Hall, View from the Sendannoki-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori

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かっての「フェスティバルホール」を栴檀木橋から望む 2009.3.17  撮影:今駒清則
Old Festival Hall, View from the Sendannoki-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  大阪市中央公会堂や大阪府中之島図書館へ渡る「栴檀木橋せんだんのきばし」から土佐堀川の下流を眺めると右岸に中之島のビル群が望めます衛星写真地図。写真手前は「淀屋橋」、「阪神高速道路」の向こうに「フェスティバルホール」、「朝日新聞大阪本社ビル」などが並んでいます。「朝日新聞大阪本社ビル」と北隣りの「大阪朝日ビル」は「フェスティバルタワー」と同様なツインの超高層ビルに今後建替えられる予定です。

 
 

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新「フェスティバルホール」南壁面、「錦橋」から 2012.10.15  撮影:今駒清則
South wall of the new Festival Hall, Nishiki-bashi. Photo : KOMMA Kiyonori

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旧「フェスティバルホール」南壁面。左は「新朝日ビルディング」 2008.2.25  撮影:今駒清則
South wall of the old Festival Hall, ShinAsahi Building left. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  「フェスティバルホール」は1958(昭和33)年にオープンし、日本一の音楽ホールとして定評がありました。それはホールの響きが当時としては大変に良かったからに他なりません。今回の改築でもその音響特性を維持し、客席規模は以前と同程度ながら客席椅子の幅や前後間隔をやや広くしゆったりさせています。舞台の高さは旧ホールの1.14倍、奥行きは1.4倍になり、舞台袖やオーケストラピットも拡幅されて舞台総面積は約2倍の規模になり、楽屋も1.7倍に、音響、照明も最新の設備となりました。これにより舞台製作やオペラなどでも大規模で複雑なステージが演出されることでしょう。そしてホールのシンボルである外壁のレリーフ「牧神、音楽を楽しむの図」もほぼ同じようになって甦ってきました。
 また恒例となっている「大阪国際フェスティバル」も来年からこのホールに戻ってきて第一級のコンサートやオペラなどをまた見せてくれることでしょう。

 
 

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新「フェスティバルホール」外壁のレリーフ 2012.10.15  撮影:今駒清則
Relief on the outer wall of the new Festival Hall. Photo : KOMMA Kiyonori

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旧「フェスティバルホール」外壁のレリーフ  撮影:今駒清則
Relief on the outer wall of the old Festival Hall. Photo : KOMMA Kiyonori
 

  「フェスティバルホール」の南外壁を飾っていた「牧神、音楽を楽しむの図」のレリーフは旧状を保って新たに製作されています。旧ホールのレリーフは下記の資料によれば、朝日新聞社の依頼で「行動美術協会」彫刻部の作家たちが信楽で約3ヶ月かけて青釉薬の陶器で製作。中島快彦の原案、建畠覚造の設計、向井良吉・今村輝久・野崎一良・松岡阜らの制作によるもの。今回再製作されたレリーフは「大塚国際美術館」の名画陶板などを手がけた「大塚オーミ陶業株式会社」が製作したものです。新旧を比較してみると旧レリーフはタイル地に青釉薬の陶器製レリーフ、横縦比は123:100の横長にレイアウトされていました。新レリーフは旧観を意識した色合いのブロックタイル地に青釉薬の陶器製レリーフ、太陽が少し上り、鳥を手にする女性が右下に下っていて、横縦比は100:113のやや縦長にレイアウトされています。

 同レリーフ関連記事リンク
  「月刊・お好み書き」 2009年2月号「フェスティバルホールのレリーフ保存」
  「大塚オーミ陶業株式会社」 「レリーフ製作プロジェクト」(pdf)

 その「フェスティバルホール」の開業記念式典は2013年4月3日。 こけら落しは4月10日で「大阪国際フェスティバル」の初日公演「フェニーチェ歌劇場 ガラ・コンサート」。以後「フェニーチェ歌劇場」「ロリン・マゼール指揮・ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団」「佐渡裕指揮・BBCフィルハーモニック」「大植英次指揮・大阪フィルハーモニー交響楽団」と続き、すでにオンライン、電話予約など受け付け中(窓口販売は11月から)です。楽しみですね。

 

 

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2012年8月19日 (日)

大阪・長居公園 落雷事故時の落雷

 

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事故当時の長居公園周辺への落雷  2012.8.18 14:18~34 撮影:今駒清則
Lightning strike at the time of the accident.   Photo : KOMMA Kiyonori
 
 

  大阪市長居公園の長居陸上競技場で開催されたエイベックス・ライブイベント「a-nation」に来ていた人たちへ落雷があり、強い雷雨を避けて木立の下で雨宿りしていた九州の若い女性2人が亡くなり、8人が怪我をされたとのお気の毒な報道がありました。
 私はちょうどその頃に長居公園方面でしきりに稲妻が光っているのが見えたので落雷をビデオで撮影していたのですが、この時の集中的な落雷の被害に合われたようです。写真は18日14時18分から34分まで撮影したそのビデオ映像から、稲妻の写っているフレームだけを取り出し一枚に合成したものです。長居公園で被害を出した落雷は14時15分頃と伝えていますのでビデオはその直近のものとなります。それにしてもこの16分間だけでこれだけ長居公園付近に落雷していたわけです。

 
 

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南の空の雷雲  2012.8.18 14:22 撮影:今駒清則
Thundercloud of the southern sky.    Photo : KOMMA Kiyonori
 
 

  このビデオの撮影はこちらまで強い雨が降込んできたので中止したのですが、この雷雲はとても大きく、南の方、和泉葛城山系辺りまで強い雨が降っていました。
 雷鳴があっても平然と外を歩いている人たちが多いのですが、難を避けるためにできるだけ早く建物の中に避難したいものですし、関係管理者も早急な避難の対策をとって欲しかった思います。

 

 

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2012年7月18日 (水)

オーディオ スピーカーの交換

 

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ダイトーボイス DS-16F スピーカー(裏面)  2012.5.20 撮影:今駒清則
DAITO-VOICE DS-16F Speaker. Photo : KOMMA Kiyonori
 
 

  25年ほど前に購入したブックシェルフタイプのオーディオスピーカーが数年前から音が悪くなってきたので、他のスピーカーに換え、仕舞込んでいたのですが最近それを引っ張り出して中を見ると、スピーカーのエッジに使われているウレタン素材が経年劣化してボロボロになっていました。スピーカー自体は竹繊維素材の振動板なのでエッジだけを交換修理するのも良いかなと思ったのですが、面倒になってとりあえずスピーカー本体を交換することに。
 大音量で聴くわけでもなく、ごく普通に軽く鳴らしているだけなので、安くて良いものは、と探してみると「ダイトーボイス DS-16F」が人気とのこと。フルレンジ16cm、8Ω、10W、パワーは少ないもののまあピッタリです。かっての名品「ダイアトーン」の再来とか、早速注文し交換してみると誂えたように何の加工をすることもなくセット(写真)できました。エンクロージャー(ボックス)は15Lのバスレフです。
 鳴らしてみるとあの「ダイアトーン」の素直さには敵わないですがまずまずの音、普通に鳴っています。ただ低音の締まりが足りない感じ。容量不足もあってエンクロージャーとのマッチングがあまり良くないのかもしれません。しばらくエージングして慣れてきたら何か方法を考えましょう。

  参考サイト:Yusa Audio Project さんの「エッジ修復」ページ
  参考サイト:コイズミ無線さんの「ダイトーボイス DS-16F」販売ページ

 

 

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2010年9月22日 (水)

暑い中秋

 

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夕陽 2010.9.22 撮影:今駒清則
 
 

 今日はまた暑さが戻ってきて室内気温が30度を下回ることがありません。あちこちに入道雲が発達し、遠い前線の影響か雲が次々とやって来ますが雨を降らすようなありませんでした。

 
 

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中秋の名月 2010.9.22 18:03 撮影:今駒清則
 
 

 今夜は中秋の名月。満月は明日ですがほとんどまん丸です。今夜は雨の予報なので月が昇ってすぐに写しておきました。そこでなぜか急に「う~さぎ うさぎ、なに見てはねる 十五夜お月さま 見てはねる」のわらべうたを思い出しました。このメロディはなんとなく「江戸時代」といった感じがします。

 
 
 

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2010年5月15日 (土)

池袋の夕

 

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                  東京・池袋西口公園 JAZZ FESTIVAL 2010.5.15 撮影:今駒清則

 
 

 夕方、池袋の街角のあちこちから音楽が聞こえてきます。街角ライブだけでなく、ちょうど「2010 IKEBUKURO JAZZ FESTIVAL」が開催されていて、芸術劇場のある西口公園では本格的な会場で演奏する市民のジャズをひととき楽しみました。

 
 
 
 

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