百舌鳥古墳群の西部地域 2000年 撮影:今駒清則 The western region of the Mozu Tonbs Group. Photo : KOMMA Kiyonori |
2019年5月14日
大阪府の百舌鳥・古市古墳群が今後世界遺産に登録されることが今日決まりました。
住宅にとり囲まれているために登録は困難かと思われましたが、かえって遺跡がしっかり国民に護られている、というように理解されたようです。
写真は2000年にヘリコプターから撮影した堺市の古墳群、下(南)の前方後円墳は上石津ミサンザイ古墳(宮内庁は履中天皇陵と治定)、中央は大仙公園、その上が大仙古墳(仁徳天皇陵に治定)、上左が南海堺東駅付近の堺市街地。
堺市役所から望む大仙古墳付近 2018.8.30 撮影:今駒清則 Ancient tombs seen from Sakai City Hall. Photo : KOMMA Kiyonori |
この大仙古墳は三重の周濠に囲まれていて、巨大なために近くで見ても森にしか見えません。現在高いところから見るには堺市役所の最上階が最適ですが、墳丘は見えるものの周濠は見えません。(写真は手前が陪冢の永山古墳、その向こうが大仙古墳、さらにその向こうが御廟山古墳、遠くの山あいが和歌山へ続く紀見峠です)
結局ヘリなど上空からでないと前方後円墳の全貌は分らないために、報道では一部の旅行社がヘリによる遊覧飛行ツアーを計画しているとか。
しかし古墳群の周囲はどこも住宅地、遊覧ヘリが飛び交えば騒音や安全性に問題が生じます。このあたりをどうするのか、堺市は登録を喜んでばかりはいられません。
それに上石津ミサンザイ古墳(履中陵、5世紀初頭築造)は、父親の陵墓と治定されている大仙古墳(仁徳陵、5世紀中期築造)より古い古墳である、と出土品により専門家の意見は一致しています。
今回の世界遺産登録では審査基準の一つである「真実性」はどうも不問にされたようで、天皇陵とされている古墳は宮内庁が管理しているために学術的な調査が制限されていて学問上のネックになっています。この世界遺産登録を機に歴史的「真実性」を明らかにできるよう声をあげたいものです。
<追記>
大仙古墳の名称は他に大山古墳、大仙陵古墳、仁徳陵古墳、仁徳天皇陵などと呼ばれています。
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